唇を噛むと、後ろを振り返り渡り廊下から見える食堂を見つめた。 何だかんだ文句言いながら朱希が楽しそうに見える。 「そりゃ…あんな可愛い子が来たら嬉しいに決まってるよね…」 自虐的な言葉を吐いて誰も気づかない小さな溜め息をついた。 教室までの足取りは重く、後ろ髪だって引かれる。 それでも、朱希を信じるしかないんだよね…と握った拳をトンッと胸に当てた。