いちいち腹立つ奴だな…
明日、会ったらガツンと言ってやらねぇと。


苛立ちを隠さずに目の前にあるクッションを壁に投げ付けた。


―…次の日


朝、約束をしなくともどちらかが家の前で待つ事になっていて。


寝起き共に機嫌の悪い朱希を柚葉が出迎える。


「おはよ」


「おはようさん」


ダルそうな返事にも馴れて歩き出すと、沈黙のまま学校への道のりを辿っていた。


―…その時


「おっはようございまぁす」


柚葉には聞き慣れない、朱希には聞き覚えのある能天気な挨拶に柚葉は振り向いた。


「お…はよう…誰だろ」


自分逹を追い抜いて、朱希に笑いかけると首をかしげて見せる。


「朱希先輩!!おはよございますってば!!」


まるで子猫がじゃれるように朱希の腕を掴み甘える彼女にカチンと来たものの、グッと耐えた。