一瞬、見とれてしまっていた朱希に首を傾げながら訊ねられハッと我に返った。

「あ…あぁ…」


「じゃぁ、私は帰ります」

仕草ひとつひとつが、流れる水のように丁寧で綺麗な璃子。


「璃子ちゃんてモデルさんか何かしてるの?」


朱希の代わりに母が質問をした。


「はい、読者モデルをさせてもらっています」


だから…かと、自分勝手に納得した。


「やっぱり可愛いわけね〜…」


さすが、親子だと横目で呆れた視線を送って璃子を見つめた。


「じゃあ失礼します」


小さな微笑みを見せて玄関に向かう璃子を見送る。


「今日はありがとうな」


「こちらこそ、じゃあ…また実行委員会で」