「なんだろ?行って来る」

コントローラを置き、下に向かった柚葉の背中を見送るとベッドにもたれかかる。

「この上(じゃなくてもいいけど)でしたい事あるんだけどよ…」

どうにも、そういう雰囲気が作れない。
深く知っている分、手を出しにくいというか…―

「はぁ〜ゲームばっかりじゃねぇか…」


なんてため息をつくと柚葉の足音が聞こえ体勢を戻した。


「母さんがご飯食べていけばって?」

「そんな時間か…」


またゲームして終わりましたね。僕たちのラブな時間は。

「いや、帰るよ。ババァが待ってるだろうから」

「そ?」


特に引き止めもせず、がっかりもしない柚葉にムッとして立ち上がると無防備な唇にキスをした。

「は?」

「じゃあな」

何が起きたのか分からない顔をした柚葉を置いたまま、ざまぁみろと舌を出すと家を後にした。