中からパタパタと足音が聞こえおばさんが顔を覗かせると、大きくドアを開けてくれた。
「柚葉なら部屋にいるわよ」
会釈して中へ入ると内心ビクビクしながら部屋をノックした。
「入りなよ〜」
意外にも明るい声にドアを開けると、俺のお気に入りの音楽が洩れて来た。
「よぉ」
「おふかれひゃん」
漫画を読みながら、口にはアイスをくわえていて…―
こいつ、アイス買って来いって言わなかった!?
溶け始めているアイスを出し隣に座ると袋を開けた。
「あ!!」
「あ?なんだよ」
口からアイスの棒を吐き出して、俺から新しいアイスを奪い取る。
「あたしのでしょ!?」
「お前…今食ってたじゃねぇか!!」
「あたしのだから!!食うな!!」
呆れた顔してアイスを渡すと、嬉しそうに食べ始めた。

