その途端、あたしは動けなくなってしまっていた。


「………っ!?」


驚いて目を見開く。


ドキドキ、ドキドキ…と次第にうるさくなる鼓動に焦りながらも、その男の子から目が離せない。


完璧にあたしは…


「…―――っ、」


その男の子に見惚れてしまっていた…。


どちらかと言えば白い肌に、ふわふわの黒髪。


その髪の間から見える瞳はすごい綺麗で…、どこか優しく見える。


なによりも時折見せる、ふわりと優しい笑顔が可愛くて…、幼い印象を持たせた。


それに、不思議な雰囲気を漂わせていて…、自然に目で追ってしまう。







しばらく経ち、顔に体中の熱が集まったような錯覚に陥って、あたしはハッと目を逸らした。


「どしたの、顔真っ赤にさせて」

「…やばいかもあたし一目惚れしちゃった!!」

「えぇえー!!」


不思議そうに首を傾げてきた小春に赤面しながら早口で告げた。