そんなことを自分に言い聞かせてる間に、「開けて」とドアの向こうから蒼の声がしてハッと立ち上がった。
「さんきゅ」
「ん、ありがと」
ドアを開ければジュースとお菓子で両手が塞がってる蒼がいて、お菓子を受けとった。
「あのさ、朱夏」
「んー?何?」
携帯をいじりながらお菓子を食べてるあたしに、楽しそうな声色の蒼が話し掛けてくる。
「今から友達来るんだけど、ここに」
「はっ!?…ならあたし帰ったほういいよね?」
「大丈夫。ここいて」
急いで立ち上がるあたしを制止して笑う蒼に首を傾げる。
そして、ちょうどその時。ピンポーンと玄関のベルが鳴った。
「ん。来た」
「ねぇっ!!本当にあたしここにいていいの?」
明らかに邪魔になると考えたあたしは、焦って蒼を見上げる。
「大丈夫だって」
そんなあたしとは反対に笑いながらそう言い残して、蒼は玄関に行ってしまった。

