てか、まずコイツ誰だよ。



「お前、名前は?」



俺は、目線を合わせる様にしゃがみこむとぶっきらぼうに尋ねた。



「吉崎‥」



吉崎?

やっぱ華乃の親戚か?



「か‥‥‥‥」


「ん?」



少女の口から発された声は、あまりにも小さすぎて聞き取れなかった。



「吉崎‥か‥の」



‥‥‥‥は ?



「お前なめてんのか?」



相手はガキだというのに、大人気なく睨み付けてしまう俺。



「ホントだよ。藤宮くん」



それなのに、このチビは、狼狽えもしなかった。



「だって‥、華乃は‥」


「あのね、藤宮くん‥」


「ふざけんな。お前、次その面見せてみろ?ガキだろうが容赦しねーから」



だけど、華乃なはずねぇ。


華乃のそっくりさんなんて、見るの辛すぎだろ。



「っ‥‥‥ホント、藤宮くんは人の話聞かないよね」


「は?」


「朝も‥私の話なんて全然聞いてくれなかった」



この女‥‥。