終わりに近づく頃、いつもなら
次の彼女にする子たちを決め、
こっそりとスタッフに伝える
のだが、
全くそんな気にはなれなかった。


パーティーを取り仕切っている
磯貝が俺のところに来た。

「あの…今回はどの子と
どの子になさいますか?」

とにかく早くこの場から
立ち去りたかった。


キーキーとやたらに高い
女の声も、うるさい音楽も、男たちの笑い声も、耳障りで
吐き気がした。


『今回でパーティーはやめだ、
女ももういらない。』


そう言って俺はその場を去った。


後処理をした磯貝には
申し訳なかったが、
そこまで落ち込むほどに、
俺の中で、愛美の存在は
大きくなっていた。


愛美にとっては、俺は
雲の上の存在で、恋愛対象に
なるはずもない。


ましてや、こんな生活見せたら、
俺は女好きだって言ってる
ようなもんだ。


でも、愛美がきて俺は変わった。

人間らしさを取り戻しつつ
あるんだ。


この気持ちを伝えたい。


何百人も女を見てきた俺が、
自分の気持ちすら言えないなんて
情けない。


なんでなんだろう?


この気持ちは、なんだ?


その日から、3台あるケータイの
仕事用以外は電源を切ったまま、

俺は、一人になった。