『おはようございます…』

「おはよう。あ、今日は藤色
なんだ、綺麗な着物だね。」


『はぁ、着物が、ね。』


「冗談!似合ってるよ。」

『あ、あの…今日は何を
すれば?』


「あぁ、ん〜いつもと同じような
感じで。」


やっぱり今日も何にもないのか!


『私、ちゃんと仕事したいんです。
家政婦として雇っていただいたの
に、お茶出しだけなんて働いた
気にもならないし、
だいたいふざけてます!』

語尾が強くなったのと、
突然のことに、人形のような顔が
目を真ん丸くしている。


『あ、突然すみません。
でも、ずっと思ってて。部屋の
掃除もしたいし、寮というか
別館の掃除とか洗濯も私に
やらせてほしいんです!
ちゃんとやりたいんです。』


「――…そ、そぅ。なら、お願いしようかな。」


『よかった!ありがとう
ございます。お茶出しのときは
呼んでください。』


仕事を得た喜びに私は
満足していた。

でも、Ryuseyはなんで
あんなに驚いていたのかな?

不思議に思いながらも
小走りに自分の部屋へ向かった。