扉を開けて入ってきたのは
紛れもなく、愛美だった。

俺が小学生の頃、初恋の相手。
女みたいな顔してて
いじめられっこだった俺を
いつも助けてくれた、気の強い
女の子。


俺は、4年生で親の仕事の都合で
転校しちゃったから気持ちは
伝えられなかった。


あの、愛美が目の前にいる。

驚きで声が出ない。


愛美も俺を見て声を失っている。

(そりゃそうだよな。。)

加藤を追い出して、愛美と
二人になった。


俺の人間の部分が顔を出さない
ように、必死でRyuseyを
演じた。


愛美は面影そのままに、少し
やつれて疲れている感じだった。
髪も伸ばしっぱなしで、
綺麗にしたら綺麗になるのに、
そんなことばかり考えていた。

愛美は必死に緊張と戦っている
ようだった。


逃げたそうな愛美を引き止める
のに必死で、俺はバカなことを
言ってしまった。


王様の言うことは絶対−−