「行くんだな。無茶するなよ」




「努力します」



「努力か。らしいな。でもホント無茶するなよ。何かあったら水無月に顔向けできないから」


ヒラリヒラリと桜が舞い散っている


今日みたいな春のある日に






純也は














いなくなってしまった












あれから何回一人で桜を見ただろう





私の左手薬指は空いたまま







薬指の約束はまだ守れていない