くちびるの純情 薬指の約束

「俺のじいさんが経営してるんだ」


思い出した。純也の担当医

確か小笠原雄太郎

まさか

「そ。俺の父親」



驚きを隠せない私の顔を見て、会長の口角が上がる

「小さい頃はよく行ったんだ。両親に会いに。そこで小さい頃のお前を見た。親父の患者にいつも見舞いに来ているしっかり者の女の子」










記憶のパズルが埋まっていく



そうだ。一度だけ会ったことがある