くちびるの純情 薬指の約束

「告白しないのか?」

「怖いんです」


振った相手に何いってんだろう。

「良いのか?」

ぶつかった視線は


何もかも知っているような、見透かすような深い深い海のよう


「良いんです」


会長の手が伸びてきて髪の毛をクシャクシャにされた


「いつでも相談にのってやるから」

なんで?私、会長のこと振ったんだよ

どうして優しくするの?

傷ついているのは会長なのに。

「この間は恥ずかしくて言えなかったけど俺お前が初恋だったんだ」


「・・・・・・え?」



思わず目を見開いた。その顔を見て会長が口元に手をあてクスっと笑う。


「旭総合病院は知ってるよな?」


知ってる。知りすぎてるくらい


純也のかかりつけの病院だ