くちびるの純情 薬指の約束

「ありがとうございました。先輩も気をつけて帰ってください」

「じゃあまた」

家の前で下ろしてもらうと、先輩はさっき来た道を戻るように自転車を走らせていった。


「ただいま」

「おかえり」


兄貴の声

「早かったんだね」


靴を脱ぎリビングへと入ると甘いカフェオレの匂いがしてきた

「ちょっと良いタイミングだったな。手洗って、うがいしてこい」

「うん」

パタパタとスリッパの音が鳴り響く













「で、どうしたいんだ?」