「だが…」





「森。先にキャンプに行ってるぞ」




「はい」











声を掛けてきた大石先輩に軽く手を振った












「え?」









「……ごめんなさい。実はお父さんに勘当されました。この仕事に就いたときに」












「…りんご」




兄さん……








「龍ちゃん」






回した腕に力を込めた





























誰よりも近い距離にある龍ちゃんの顔














楽園を捨ててでも欲しかった禁断の果実は













何よりも甘いものだった













~fin~