「……」


「病院嫌いはなのはそのせい。大事な人を失った場所って意識があるんだろうな。しかも直後に弟が生まれたのもあって両親に甘えるってこともできなかったし。甘えたり、人に頼ったりするのが苦手なんだよな。和真との関係みていてもそうだし」


会計を済ませると1ずつ袋を持ち、外の喫煙スペースまで来ていた。


それぞれ煙草を取りだし、ライターで火をつける。


「何でそこまで話してくれたんですか?」


「うーん。チコがいくら体調悪かったからって、部屋に入れたこと自体、かなり信用しているってことだし。ただし、今のこと和真には言うなよ」


「何で?」


「甘えたくない」


煙を吐き出し、真っ直ぐ秀明を見る。


「たぶん、それがあいつの本音。好きだからこそ弱い部分を見られたくないんだろうな」


言葉が出なかった。