何度目かもわからない拳をぶつけた後、微かに視線を上げると秀明の大きな手が智子を包んだ。

その仕草に激しく頭を振る
もう1度その手に触れられると…





そこまでが限界だった



秀明の腕を掴む。



もう止める術は知らない








「…ま…ず…和真」


ごめんなさい。


和真への謝罪、自分を責める言葉


IFを言っても仕方がないことぐらいわかってる。


でも、溢れてくるのは後悔…



好きだった。




大好きだった。



……愛していた










誰よりも愛していた











「…和真!」


あのメールに気づいていれば良かった。……



智子の呟きに秀明はハッとした。