「カズキ・・・」
「ん?何」
「あの、」
ガラッ
突然、生徒会室のドアが開いた。
「!!」
(ヤバっ・・・荒井先生だ)
「おっ!岩口、佐藤。掃除してくれてるのか」
「「へ・・・?」」
「え?違うのか?じゃあ、部活サボり中?」
「あ、ちっ・・・違います!掃除中です!」
ありさは少し声を大きくして返事をした。
「そうかー、助かるよ。じゃ、戸締りよろしくな?」
「はい」
そういうと、荒井は職員室に戻って行った。
「ふー・・・危なかった。さんきゅ、ありさ」
「ううん・・・ってか、あたし帰る!」
「は?ちょっ・・・ありさ!」
ありさはそこから早く立ち去りたかった。
また先生が来たらヤダ。またカズキにあんなことされたらヤダ。
そう思うと、なんだか逃げ出したくなった。
「ありさ・・・」
カズキはただ、立ち尽くしていた。


朝。なんだか今日、だるいな・・・。
ありさはそう思いながら、自分の身を起こした。
それから15分。ありさは学校に行く支度をし、家を出た。
「あ、来た来た。おはよ」
そこには、ありさのクラスメイト山口利奈がいた。
「りな。おはよう」
そう言うと、2人は歩き出した。
「ありさ、なんか元気なくない?風邪?」
「えっ!?あ、大丈夫。ちょっと寝不足なだけ」
ありさは、りなに心配をさせまいと笑顔で話した。
「そう?ならいいんだけど」
それから、話をしているうちに学校近くの交差点についた。
「あー、だりぃ。馬路やすみてぇ」
後ろから聞こえてくるのは男子の声。
すると
「あはは。コレだからカズキは。昨日、あたしと遅くまでHしすぎたからでしょ?」
女の子の声。
え?と思ったありさは後ろを振り向く。
(――・・・カズキ。)
すると、カズキもありさがいることに気づいたのか、下を向いてしまった。
「ん?佐藤じゃん・・・ありさ、気にしないほうがいいよ?あいつ、何人もの女とヤってるらしいし」
そうなんだ・・・ありさは少し悲しげに話すと、また歩き出した。