「……ん」

「あ、よかった。目、覚めたのね。」


まだあたしは目を開けられない。

すごく近くで鈴の鳴るような綺麗な声がする。


「ん?」

あたしは頑張って目をパチっと開けた。

そこにはもうきれいすぎる女の人がいた。


「あの……ココはどこですか?」

「ココは……。なんなのかしらね。ふふ。」


きょろきょろと周りを見回してみる。

とてもきれいな部屋だ。というか、片付いている。

切り株っぽいデザインの椅子など、いたるところに森っぽいデザインがあって

すごくかわいい。

で、あたしはなんでここに……?

えーっと、確か、あたし、確かアンを追いかけて、穴に落ちて……


「あっ!!アンは!?猫!猫がここに落ちてきませんでしたか!?」

「アリス。ふふ。驚かないでね?私よ、アンよ。」

「えっ!?」

「ココの世界ではわたしはこんな姿なの。アリス、びっくりした?」

「アン……?ホントにアンなの?」

「うーん。アリス、あなたの好きなものはリンゴ。」

あたしはまだ信じられない。

「そして、あなたは恋をしたことがない。そして、大嫌いな人は3組の……」

「わぁーっ!それはアンにしか話してない……!じゃやっぱりアン!?」

「だから、言ったでしょ?」

「アンーっ、心配したんだからね!穴に落ちたんだって!」


あたしはアンに抱きついた。