【完】アニキ、ときどきキス

内線を使い、穂高が保健室にいることを確認して、いつものように授業を始めた。


いつもクスクスと笑い声を立てる穂高の取り巻き達も、ただ黙って授業を聞いている。




中休み、屋上に遥と美奈を呼び出し、話しを聞くことにした。



穂高が教室を出て行くときに言った言葉。

あの言葉からすると、穂高が一番苦しめたいのは遥。

きっと原因があるはず。


「休み時間に呼び出してごめんね」


「いえ・・・・・・」


美奈はキョロキョロと周りを見渡している。


「どうしたの美奈?」


「あの、北原先生?
屋上って確か、私が2年の頃から締め切っていたはずなんですが・・・いいんですか?」


「え?そうなの!?」


そんなこと初耳だ・・・まさか!

遥をチラリと確認すると視線をそらしてそしらぬそぶり。


あとでじっくり聞かなきゃね。