【完】アニキ、ときどきキス

キーンコーンカーン・・・・・・


その時チャイムが鳴り、遥と直太朗が教室に戻ってきた。


穂高が遥を睨み付けた。


「やっぱり、あなたなんて大嫌いですわ・・・・・・」


穂高はガタンと椅子を鳴らして立ち上がると、遥達がいない前側のドアからスタスタと出て行った。


その様子を見ていた美奈が、穂高の後ろを追いかけるように走り出した。


「美奈!行かなくていい!」


遥が美奈に叫ぶ。


「遥・・・・・・でも」


「美奈。もう全部バレてんだ。
望ちゃんに全部話したから」


直太朗が美奈にVサインを向けた。


美奈が振り向き私の顔を見つめる。


とても困惑したような、表情だった。