【完】アニキ、ときどきキス

「穂高。
聞きたい事があるんだけど、いいかな?
隣の空き教室にきてくれる?」


「・・・・・・」


穂高は私をキッと睨み付け、少しだけフッと笑うと、何事もなかったように席についた。

そして鞄から道具を出し、机の中にしまいはじめた。


「みんなの前で話してもいいって言うんなら、ここで話してもいいんだけど」


私は教卓から立ち上がり、穂高の机の横にしゃがみ込んだ。


「・・・・・・」


「じゃあ、ここで話すね。
昨日遥から全部聞いた」


穂高は私の言葉に少しだけ目を泳がせたが、特に動じることもなくただ座っている。