【完】アニキ、ときどきキス

「こうしていつでも気兼ねなく、アピールできるっていいですね。
僕、やっぱり告白して良かった」


「!!」


かわいさ満点のキラキラスマイルが殺人的。

しかも寝癖!!


「お、お先に!」


私は山田先生にペコっと頭を下げ、必要な荷物をササっとまとめ、職員室を後にした。


いつものように、3階まで続く階段を登る。


ただでさえ息切れしてきつい3階までの階段なのにっ!


ドキドキでその辛さは2倍・・・・・・。


ゼーゼー息をはきながら、教室のドアを開ける。


「おはよう!
って誰もいない、か・・・・・・」


遥と直太朗は朝自習が始まるギリギリまで、教室にはこない。

トラブルを交わすように屋上で過ごしている。


確かにみんなの前にいなきゃ嫌がらせもされないだろうし、楽なんだけど。


「ハア・・・・・・」


思わずため息が漏れる。