「あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・直太朗の家に遥、いるかな?」


『え?遥?
ううん、いないけど』


「そう、なんだ。
あのね、今家に行ったらいなくて・・・・・・心当たりある?」


『遥・・・・・・いないの?』


「うん」


『・・・・・・望ちゃん。
遥の家の近くにスーパーがあるの分かる?
丸得スーパー』


「うん、分かる」


『そこに・・・・・・行ってみて』


直太朗の声は沈んでいた。

その声は消え入りそうで、泣いているようにも聞こえた。


「・・・・・・うん、ありがとう。
行ってみる。ありがとう、直太郎」


私は電話を切り、そのスーパーへ向かって駆けだした。


悪い予感なら当たらないで欲しい・・・・・・!


そんな思いで、そこへ向かって必死に駆けた。