「何してるんですか!?
北原先生、嫌がってるじゃないですか?」


言葉と同時に、誰かが私と新君の間を無理矢理に引き裂いた。

顔をあげるとそこには背中があった。


この声・・・・・・。


「山田、先生?」


山田先生が振り向き私に笑顔を向ける。

そして新君を睨み付けた。


「ホスト?」


「そうだけど、何?」


新君は山田先生を見下ろすように、睨み付ける。


「山田先生、ごめんなさい。
この人私の知り合いで・・・ちょっと話ししてただけなんです」


「そ、うなんですか?」


山田先生は、やっかいものを見るような目で新君を見た。


「・・・・・・俺、戻るわ」


新君はフウとため息をつき、鍛冶町のアーケードの中へと入っていってしまった。


「新君・・・・・・!」


二歩、三歩・・・新君のことを追おうと思ったのに、それしか歩み寄れなかった。