夕方。


ピンポーン


私は新君の家のインターホンを押した。


「はい」


カチャリと空いた扉のすき間から顔を見せたのは遥だった。


「やっほ。こんばんは」


「あれ?その声は望ちゃん?」


遥の背後から直太朗がひょっこりと姿を見せ、扉のチェーンをはずした。


「え?直太朗、どうして?」


「俺?うん。
うちの母ちゃんが遥んちにおかず持ってけって。
一緒に食べてたんだ」


「そうなんだ。本当に仲いいんだね」


「へへっ」


直太朗は照れくさそうに笑うと、部屋の奥へと入っていった。