蛍光灯の音だけがジリジリと聞こえる薄暗い夜の道を新君と二人で歩く。


横目でチラチラと新君の横顔を確認しては、寂しい気持ちになる。

こんなに近くにいるのに、あの時みたいに新君を側に感じない。


遠い。
なんだかすごく、遠い・・・・・・。


「ここでいいよ。ありがとう」


「そっか。じゃあ」


新君が背を向け暗闇の中に消えていく。


『北原さんは変わってないね。
今も俺のこと好き?』


「好きだよ・・・・・・好き」


14年はとても長すぎた。
出来ることならずっと側にいたかった。