【完】アニキ、ときどきキス

お茶を一口飲み干し、ソファーに座っている遥に話しかける。


「ねえ、遥。
万引きの話し、本当にそうなの?」


「うん。本当だよ。
私がやった」


膝の上で、ぎゅっと両手を握りしめている遥の姿を見て、すぐに分かった。


「やりたくてやったわけじゃない。
そうだよね?」


遥は私の言葉を聞いて顔をあげ、私の目を見つめた。


しばらくするとまた視線を下に落とした。


「ごめん。言えない」


「そっか。
なら言えるようになったら言って」


私の言葉を聞いて、遥は驚いた表情で私を見つめる。


「うん・・・・・・」


そして頷いた。