ピリリリリピリリリリ


突然、電子音が教室中に響き渡る。


新君が慌ててポケットから携帯を取り出した。


「はい、もしもし。
・・・・・・はい。はい。
今すぐいきます」


パチリ


新君は携帯を閉じてポケットに入れると立ち上がった。


「ごめん。行かなきゃ」


「う、うん」


「それじゃあ、北原先生。
遥のことよろしくお願いします」


「はい」


新君は優しく微笑むと教室から出て行った。

私は胸に手を当てた。


ドキッドキ・・・・・・


静かに。

だけど強く・・・私の心臓は音を立てていた。