「いいや、帰っちゃえ」


私はまだ痛む足をかばうようにして立ち上がり、靴を履き玄関を出た。

携帯の明かりで足下を照らしながらゆっくり階段を降りていると、


「望ぃ!」


聞き慣れた声。
だけど、聞き慣れない声。


ビックリして階段を駆け下りる。

そしてフラフラ歩いていた新君にかけよった。


「新君!?」


「エヘヘヘ~」


新君は二ヘラっと笑うと、私にスリスリすり寄ってきた。

お酒の匂い。


「ちょっと、新君!?」


「ん?」


ダメだ完全に目が座っちゃってるよ。