「おい、やめろよ。
北原さん痛がってるだろうが」


新君も私たちに近より、私の手首を山田先生の手から離そうとする。


「離したくありませんっ!!」


山田先生が、新君を一喝する。

あまりの大きな声に、私も新君も体がビクっとして、動きが止まった。


「僕は、北原先生が好きなんです。
七瀬さんに渡したくありません」


山田先生は新君をジッと睨み付けた。


「は?え?
北原さん、どういうこと?」


新君は私を見て問いただす。


「あの・・・・・・」

どうしよう。
なんて言ったらいいか分からないよ。



その時だ。


「新あー!!待って!!」


新君を呼ぶ声が聞こえた。