眉をしかめる、新君。


「あ、あのね、新君」


私が新君の方へ歩みよると、山田先生が私の手首をクイっと引っ張り、歩みを妨げた。


「え?山田先生!?」


私はビックリして山田先生を見上げた。


「・・・・・・行かないで下さい」


山田先生は寂しそうに私を見つめ、呟くと、新君へと視線を戻し、表情を変えた。


「何?お前」


新君が厳しい表情で近づいてくる。

山田先生の私を掴む手がキリっと強くなる。


「い、たい!山田先生、痛いです!」


山田先生の手を、捕まれていない方の手でほどこうとしたけど、その力は強くて、ふりほどけない。