「なんで?」


「ん?なんとなく・・・・・・」


北原さんはそう呟くと、俺の隣の席に座り、机に突っ伏した。


俺は宿題をカリカリと進める。

無言で宿題を進める俺を見ていた北原さんが、諦めたようにランドセルから宿題を取り出し、机の上に広げた。


「北原さんこそ、なんで?
別に委員会でもないんだからさ、俺に付き合わなくてもいいじゃん?」


そうなんだ。

北原さんは、図書室で残って勉強をしている俺を見かけて以来、俺に付き合って、図書室に残るようになった。


「宿題助かっちゃうから?」


北原さんはハハっと笑うと、俺の宿題をのぞき見する。


「のぞくなよ」


俺は自分の宿題をサッと隠す。


「新君のイジワル」


北原さんは頬を膨らませ、プイっとそっぽを向いた。