【完】アニキ、ときどきキス

「待って、遥!」


遥の後ろを金髪の男の子が追っていく。


「き・・・・・・金髪!?」


金髪の男の子が振り返り、私を睨む。


「いくら先生だからって、遥を傷つけたら許さないからね」


突き刺すような瞳。
背中にゾクっと寒気が走る。


パタパタパタ・・・・・・


足跡はどんどん遠ざかっていく。
教室はシーンと静まりかえる。


「とりあえず、先生。
授業をはじめましょう」


沈黙を破ったのは・・・さっきの・・・・・・


「えっと・・・・・・あなたお名前は?」


「松島穂高ですわ、先生。
さ、みなさんも座りましょう。
先生が困っていらっしゃるわ」


その子がにっこりと微笑むと、30名あまりの子ども達が一斉に席に座り始めた。

異様な光景だった。