「まさか、またあなたが穂高を!?」


「ち、ちがうのママ!
北原先生は心配して来てくれただけなの!!
このほっぺのアザも、北原先生じゃないの!」


穂高は私に勇みかかろうとする母親の腕を必死にひっぱり、訴える。


「じゃあ、誰だっていうの!?」


穂高の母親は振り向き、穂高の頬に両手をあてながら、穂高を問いただす。


「お・・・・・・っ」


穂高の口がパクパクと動くが、言葉が出ない。

フルフルと首を横に振っている。


「どうしたの?ちゃんと言って」


「お、兄ちゃん、がっ」


穂高の目からまた涙がボロボロとこぼれ落ちる。


お兄ちゃん!?
まさか・・・・・・!

あの声はお兄ちゃんの・・・・・・。



穂高の気持ちが痛いほどに伝わる。

穂高はどんな気持ちで、遥と新君のことを見ていたのだろうか・・・・・・。