「ごめん。
穂高も辛かったのに、穂高のこと気にしてあげられなくて・・・・・・!ごめん」


穂高が私の胸の中で泣きじゃくる。


こんなに小さい子のように泣いてしまう穂高を、今まで悪者のように扱っていた自分が情けなかった。



遥も穂高もまだ12歳なことに代わりはないんだ。

どちらが悪いとか良いとか、そんな基準で考えたらいけなかったんだ。


穂高が泣きやもうとしていた時、病室の扉がガラリと開いた。


「穂高!」


「ママッ!」


穂高の母親だった。

私は慌てて、穂高から腕をほどき立ち上がり、頭を下げた。


「ママ、仕事は?」


「大丈夫。
そんなことは心配しないで。
それより倒れたなんて!まさか!」


穂高の母親が私をギロリと睨み付けた。