「アニキ?」


「うん。俺、遥のお兄さん」


「お、にい、さん・・・・・・」


新君の言葉を聞いた穂高が新君を見つめる。


「アニキ、早く離してってば!」


「あ、すまん」


新君が遥の体をパッと離す。

遥は頬を膨らまして、パシっと新君の体を叩く。


「仲が、いいんですのね・・・・・・」


穂高がポツリと呟いた。


「え?」


「遥さんは、ずるいですわ」


穂高は布団を頭まで被り、丸まった。


「遥。先に学校に戻っててくれるかな?」


「え!でも・・・・・・」


「北原先生の言うこときけ。いくぞ」


新君は遥の手を引き、病室から出て行った。