新君の腕を借りながら、穂高の病室へたどり着くと、遥が眠っている穂高の顔を心配そうに覗き込んでいた。


その時、穂高の目がパチリと開いた。


「・・・・・・ん?」


「気がついた!?」


遥がガバリと穂高の上に覆い被さるように、体を近づける。


「な、なんですの!?」


「こら、遥。
友達がびっくりしてるだろ?離れろ」


新君が遥をヒョイと抱きかかえ、穂高の体から離す。


穂高がゆっくりと体を起こし、辺りを見渡す。


「ここ、どこですの?」


「病院だよ」


穂高の問いに、新君が優しく答える。


「ア、アニキ!離してよ」


新君に抱きかかえられたままの、遥がジタバタと体を動かす。