「はい、ではそういうことですので。
よろしくお願い致します」


病院の外で、学校へ電話をしていると、遥と新君が駆け寄ってきた。

私は携帯をパチリと閉じて、ポケットの中にしまった。


「北原先生、穂高は!?」


「今病室で眠ってるよ」


私は目に涙を浮かべる遥にそっと寄り添って、背中を撫でた。


「良かった。
今穂高の所に行っても大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ」


私の言葉を聞いた遥が、ホッと安心したように笑う。


「遥、先に中入って待ってろ。
俺、北原先生と話あるから。
病室は受付で聞けば分かるから」


「うん。分かった」


ウイーンと自動ドアが開き、遥は病院の中へと入っていった。