「北原さん!」


落ち着いて、落ち着いて・・・・・・。

こういう時どうするかって講習を受けた。


バクバクする心臓を落ち着けながら、耳に神経を集中させる。


スースー・・・・・・


「大丈夫。息はしてる!
このまま病院へ連れて行こう」


「わ、分かった!」


新君は穂高を抱きかかえ、タクシーの後ろの座席に寝せた。


「北原さん。とりあえず、お金。
俺と遥は後ろから追っかけるから」


「うん、ありがとう。新君」


私は急いでタクシーの前の座席に乗り込み、病院へと向かった。