【完】アニキ、ときどきキス

「ッヒッ!
ハッハッ・・・・・・!」


穂高が目を見開き、上を見上げる。

呼吸が明らかにおかしかった。

引きつるような呼吸を何度も何度も繰り返す、穂高。


穂高は私の腕を乱暴にはがすと、靴も履かずに玄関を飛び出した。


「穂高!」


私と遥も、慌てて穂高の後を追うように玄関を出た。


「いっ!!!」


穂高を追いかけようとしたけど、私は怪我をした足が痛くて、追いかけることが出来なかった。


遥が穂高を追いかけ捕まえる。


「待って、穂高!どうしたの!?」


「は、離して!!
逃げなきゃ、逃げなきゃあああ!!」


穂高は遥に捕まれた腕を、必死で振りほどこうとする。


遥はそれに負けじと、必死で穂高の両腕を押さえた。