【完】アニキ、ときどきキス

「ここ、リビング?
うっわ!ひっろお!」


そんな事を言いながら、ズンズンと中へ入っていく遥を、穂高はポカンと口を開けて見つめている。


「あの、穂高」


「え?はい」


「頬・・・・・・」


穂高の頬には湿布が貼られていた。


「それ、本当にアザになってるの?
痛くない?」


「なんでそんなこと聞くんですの?」


「え、だって・・・・・・」


「本当に聞きたいのは、そんなことじゃないでしょう?」


穂高が私を睨む。


「私は、先生に叩かれたと嘘を言ったんですのよ?
なぜ、それを攻めないんですの?」