【完】アニキ、ときどきキス

「北原先生、僕ね・・・自惚れてたら本当に申し訳ないんですけど・・・北原先生は僕のこと好きなのかなあって思ってたんです」


「え!?」


「あ、すいません。
何となく、何となくですから!
ごめんなさい!」


山田先生の顔がみるみる真っ赤になっていく。


「こうして北原先生の足に触ってるだけでも、めっちゃドキドキしてる」


山田先生の手からドキドキが伝わってくるような気がした。

私までつられてドキドキしてきちゃった。


「はい、終わりましたよ」


「ありがとうございました」


私はヒョコッと立ち上がり、山田先生に頭を下げた。


「いえいえ。
それにしても階段から落ちるなんて。
踏み外したんですか?」


「まあ・・・そんな所です。
考え事していたら・・・・・・」


そうだ。

穂高・・・・・・。


頭の中に穂高の事がゴチャゴチャと飛び込んでくる。