【完】アニキ、ときどきキス

「当たり前。
君のアニキもそうだけど、尾崎さんにも頼まれてるしね」


私は冗談っぽく、遥をキッと睨み付けた。


「尾崎さんの頼みなら、仕方ないか」


「尾崎さんには弱いんだ?」


「まあ、ね」


遥はそう言いながら頷くと、部屋の中に入れてくれた。


「遥、ご飯は食べた?」


「ううん、まだ」


「じゃ、私作ってもいい?
そして一緒に食べてもいい?」


「北原先生結構あつかましいね。
まあ、私も助かるしいいけど・・・あーっ!!」


遥がニヤニヤしながら、私を指さす。


「な、何よ!?」


「アニキでしょ!?
アニキに食べさせたいからなんでしょ!?」


「何言ってるの!?違うし!」


私は慌てて否定した。