【完】アニキ、ときどきキス

素直な穂高。

いつもと違う穂高の表情に違和感を抱いた私は、遥のことや美奈のことを聞こうと思っていたのに、聞けなかった。


今の穂高には聞く方が野暮なような、そんな気がしたのだ。



授業がどこまで進んだかを簡単に話していると、穂高のおばあちゃんらしい人が迎えにきて、穂高は帰っていった。


「なんだかモヤモヤする・・・けど、いっか!
穂高の表情も、なんだか良かったし」


私は道具を片付け、いつもよりも軽い足取りで、学校から真っ直ぐ遥のいるアパートへと向かった。



コンコンッ


「遥。北原です」


カチャ


「本当にきたんだ・・・・・・
アニキから話しは聞いてたけど。
本当に私が寝るまでいるの?」