キモチ



「はい。判押したから。あと、1番なら成績表見せなくて良いから。自分で判押して頂戴。私だってヒマじゃないのよ。もちろん雅人だって…それなのに、アンタに構ってる雅人は同情だから間違えないでね。」



ただ黙って聞くしかできなかった。



「……」



「じゃあ行くとこあるから。」



お母さんは成績表をテーブルの上に置きバッグを持ってソソクさと家を出ていった。



なんか力が抜けたんだ。


誰もいない…誰も私を思ってはくれない。

誰も…必要とはしてくれないんだね?


こんな…こんな病気があるから。


私がここにいたから。

この家に産まれてきたから…偶然の必然で私はここにいるんだよね?


そうなんだよね?


そう思ってなきゃ私ツラいよ…。


流れる涙が落ち滲む床。



止めようと思っても止まらない涙。


とっくに涙腺は壊れて、次第に声を上げて泣く始末。



愛されないツラさをつくづく実感した。