春の暖かな陽ざしが夏一の体に降りそそぐ


「また春が来たよ」


草むらに寝そべり空に手をかざす

そしてある人の話を思い出す

「夏一、太陽は季節ごとに色々な顔を見せるんだ。春の顔は優しい顔、夏の顔は怒ったような顔、秋の顔は・・・」


そこから記憶が途絶える


「秋の顔は・・・」


思い出そうとしてやめる


「なんで俺はあの人の話を思い出そうとしてるんだ」


それはあの人に対する未練なのか?


「俺は未練がましいのかもな」