次の日は美羽達の卒業式だった。


その卒業式直後、彼氏である廉矢を呼び出した。


最近ほとんど話すこともメールも電話もしていなかった為、廉矢は2人きりになれる事を喜ぶ反面、不安もあった。


そして、その予感は的中してしまった。


会うと唐突に「別れましょう」

と言われてしまったのだ。


しばらく何も返せないまま、時間だけが過ぎてしまい…
やっとのことで出てきた言葉は

「なんでだよ…。」

という今にも消えそうな言葉だった。


美羽は「留学するの。」
と答えた。


だが、廉矢はそれ以上は聞けないような空気を感じた。

もう彼氏ではないから聞く資格はない。と言われてるように思えたからだ。

廉矢は完全に頭はパニック状態になっていた。
美羽は今まではこんなにやつじゃなかった!!やさしくて、しっかりしたタイプだった!!

なのに今は平然を装いつつも…なにかに追い込まれているかのように見えるのだ…。


結局、廉矢は何も聞けないまま旅立つ日すら聞けないまま、美羽と廉矢は別れてしまった。



やりきれなくなった廉矢は、とりあえず美羽の友達なら何か知っているんじゃないかと思い、知っているやつらに片っ端から聞いてみたが、

全員口を揃えて留学すること自体知らないし、

そもそも最近の美羽はずっと電話もメールも返さないし、学校に来ても誰とも話さなかったそうだ。

だから、あんなに友達の多い美羽が卒業式直後に友達といるのではなく、自分と会う事にしたことがおかしいと感じたのか。と廉矢は妙に納得した。