「チッ…分かった」
『交渉成立ね』
初めて手に入れた穢れない宝物
…それを俺の手で手放してしまうなんて
「その代わり、春華には一生かかわるな」
『あら、勿論そのつもりよ
あなたがこれに乗ってくれると思っていたから春華ちゃんを閉じ込めてからは何もしていないじゃない』
こいつ…
そんな前からこの計画を…
俺はずっと拳を握り締めていた
こんなにムカついた女はこいつが初めてかもしれない
『じゃあ、今日中に別れてね
れ・ん♪』
はっ
と思ったときにはもう遅かった
…チュッと軽いリップ音を立てて
唇は離れていった



